株主の皆様におかれましては、平素より格別のご支援を賜り厚くお礼申し上げます。 当期はいわゆるリーマンショック後の金融・資本市場の機能麻痺及び世界経済の急速な後退により、当社グループの事業環境は厳しい状況で推移いたしました。グローバルな投資市場において資産価値は下落し、資産担保ローンの市場規模も急速に縮小しました。
世界各国は経済の後退を食い止め、回復軌道に乗せるべく、金融・財政面で様々な施策を講じてきました。その結果、主要先進国経済は緩やかながらも回復の兆候を見せはじめております。しかし、今後の経済動向についてはなお、多くの不確実性が存在しております。一方、新興国経済はこのような経済後退からいち早く脱却し、世界経済の回復を牽引しております。
このような状況の中、不動産投資顧問業界では、国内外で事業者の淘汰や再編が進み、主要事業者の撤退や新規事業者の参入が相次ぎました。当社グループも、このような逆境の波をかぶることになりましたが、逆境からの脱出を図るのみならず、今回の「ピンチ」を今後の成長の「チャンス」に変えようという意識のもと、次の施策を実行に移してまいりました。
第一に、当社グループのビジネスは対顧客ビジネスであるということをあらためて認識し、顧客の信頼を維持するためには、当社自らの経営の健全性の確保を最優先課題とし、第三者割当による劣後転換社債の発行及び既発行転換社債の買入消却等により、バランスシートの強化を図りました。
第二に、現在の逆境の中から生まれる新たな投資やビジネス機会を確保するため、新規ファンド(第4号オポチュニティ・ファンド 出資約束総額 525百万米ドル)の募集を完了するとともに、同ファンドに対する当社グループの共同投資資金の調達枠を確保いたしました。また、今回の厳しい経営環境の中で淘汰された事業者が投資家から受託していたアセットマネジメント業務を獲得することにより、同業務の拡大を図りました。
当社グループの運用実績(トラックレコード)を踏まえて顧客や市場から当社に寄せられた信頼に支えられ、上記の施策を実施することにより、当社グループの市場における競争力を向上させることができました。また、年末には、当社グループの運用ファンドが、東京都千代田区丸の内所在の大型優良ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の取得という、まさに十年に一度ともいうべき画期的な取引を成立させることができました。同取引は当社グループの重要なマイルストーンとして、今後の投資活動にも大きく好影響を及ぼすものと思われます。
また、かねてより当社グループは運用ファンドによる中国及び他のアジア地域における投資案件の取得を進めてまいりましたが、当期はそれらの出口戦略の実行に成功しております。グローバル市場における投資家にとって、アジア市場はますます重要な市場になっております。当社グループは2005年より中国において関連会社を通じアセットマネジメント業務を展開していますが、更に昨年は香港所在のファンド運用会社パシフィック・アライアンス・グループとも資本・業務提携を行うなど、アジア地域における運用業務を推進しております。今後は、同社との関係を一層強化することにより、日本及びアジアに強い業務基盤と競争力を有するオルタナティブ・アセットマネジメント会社として、更なる成長を図ってまいりたいと思います。当社グループといたしましては、日本・アジア市場は魅力的な成長機会を提供し続けるものと確信しております。
株主の皆様におかれましては、今後とも引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
平成22年3月
代表取締役会長 兼 社長
髙梨 勝也

